「阪神３‐２巨人」（２２日、甲子園）

　メッセが投げればＧには負けない‐。白星は手にできなかった。だが、この夜の劇的勝利を引き寄せたのは、間違いなく阪神・メッセンジャーの粘りの投球だ。

　初回２死。亀井の風に乗った当たりが左翼ポールを直撃して先制点を許す。だが「１点だけで粘れたからね。自分としてはいい仕事ができた」と、毎回のように走者を背負いながら、決して追加点を与えなかった。ｇｇ

　そして六回２死からは、打撃で見せる。チームはそこまで杉内に無安打に抑えられていたが「第１打席にスライダーで抑えられていたから、その後から狙っていた」と高めのスライダーを捉え、左翼フェンス最上部を直撃する安打で出塁した。

　「ノーヒットを、幸運にも自分で崩せたからね。気持ちよかったよ」とメッセ。ここから打線がつながり、代打・新井良が右前へ運ぶ逆転２点打を呼び込むと、直後の七回は１死一、三塁の危機で井端を遊ゴロ併殺に打ち取る。和田監督が「初回の１点だけで抑えてくれたのが大きい」と称した獅子奮迅の働きだ。

　九回に呉昇桓が同点とされ白星は逃したが、最後は延長戦を制し「勝ったことが本当に大きい」とメッセ。これで自身が先発した今季巨人戦でチームは５戦全勝。猛虎が誇る“Ｇキラー”が、またも大きな仕事を成した。