ゴメス8戦ぶり17号!バットの先でも
「阪神2-3巨人」(23日、甲子園)
満員のスタンドが唯一、歓喜で揺れた場面だった。阪神・ゴメスが先制17号2ラン。11日の巨人戦以来8試合ぶりの一発でたたき出したチーム唯一の得点は、勝利にはつながらなかった。
「負けてしまったんでね…。先制という意味ではよかったけど、負けてしまって残念だね」。助っ人は重い足取りで、低いトーンのままクラブハウスへと引き上げた。
初回2死一塁。1ボールから小山の外角直球を強引に引っ張った。わずかに芯を外しており、打った直後にはうつむいて悔しがる表情を見せた。
しかし、高く舞い上がった打球は、中堅から本塁へ吹いていた風にも負けずに伸び続けた。助走してフェンスに駆け上がろうとした左翼・亀井のグラブの上を通過し、ギリギリでフェンスを越えた。
「捉えたのがバットの少し先気味だったので、打った瞬間はレフトフライになってしまったと思ったんだけど、予想以上に打球がよく伸びてスタンドインしてくれたよ」。自身も驚く29打席ぶりの快音となった。
その後は2度、得点圏に走者を置いた場面で凡退した。三回2死一、三塁は低めのボール球のフォークに手が出て空振り三振。六回1死二塁は内角高め、ボール球の直球に差し込まれてどん詰まりの一飛に終わった。自身が本塁打を放った試合は6月12日のロッテ戦から5連勝中だったが、連勝を伸ばすことはできなかった。
巨人3タテを逃し、ゲーム差を縮めることはできなかった。ただ、これからも重要な試合は続く。「このシリーズを勝ち越せたし、あしたは試合がないので切り替えて広島を相手に頑張りたい」。主砲の視線は、すでに25日からの3位・広島との3連戦へ向いていた。