掛布DC、スター候補の高卒野手獲って
阪神・掛布雅之DC(59)が24日、都内で行われた美津和タイガーの新型グリップ「レボルタイガー」の記者発表会に出席。今秋のドラフトへ向け、若手を指導する立場として高卒野手の獲得を要望した。近年は北條、横田らを継続的に指名しているが、中心選手は皆無。黄金時代再建へ、高卒野手のスター誕生が欠かせないと断言した。
黄金時代の再建へ‐。ファームで若虎たちを指導する掛布DCには、ある一つのビジョンが見えていた。チームを変える要素は“高卒のスター選手”。かつてプリンスと呼ばれた新庄のような中心選手が必要だからこそ、ドラフトで高卒野手の獲得を要望する。
「巨人が強いのは坂本という高校出の中心選手に、即戦力の長野らがうまく融合している。そうすることで魅力のあるチームになっていく」と分析した掛布DC。対して阪神の場合、高卒の生え抜きで1軍の主力と呼べるのは大和だけ。「高卒で中心になれる選手がいるチームは強い」と断言するのは、ある理由がある。
「今の横田がそうであるように、高卒の子は吸収力がすごい。積み木を重ねていくみたいに成長する」。逆に大卒や社会人出身は「即戦力の意味合いが強いし、やってきたものがある。それをアレンジする程度になる」と根本から時間をかけて育成するのは難しい。
数年前まで投手も野手もドラフト戦略は大卒・社会人が中心だった。その結果、野手は中心選手が育たず、補強に頼らざるを得ない現状になっている。「今年は投手中心のドラフトになると思うけど、うち1人でも高卒の野手がいてくれれば」と願う掛布DC。猛虎復活には地道に育て上げられる“種”が必要だ。