上本、千金弾!でかしたマエケン撃ち

 「広島3‐4阪神」(25日、マツダ)

 天敵マエケン撃ったど~!阪神・上本博紀内野手(28)が2点を追う七回に前田から左翼へ同点2ラン。故郷・広島での初弾は値千金の一発になった。八回には1死一、二塁から今成が左翼線二塁打で勝ち越し。暑い暑い広島で魅せた猛虎の熱い姿。巨人とのゲーム差は再び1・5ゲーム差。一気に首位へ駆け上がるど~!

 汗だくのマエケンがひざまずいた。しかめっ面で白球の行方を追う、その姿は痛々しかった。2点劣勢の七回2死一塁。上本が虎の天敵を沈めた。フルカウントから2球ファウルで粘り、9球目のスライダーに反応した。

 173センチのボディーをクルッと反転させると、ライナー性の打球が左翼席で弾んだ。起死回生の5号同点2ラン。チームメートはベンチで身を乗り出したが、生還した選手会長は頬を緩めなかった。

 「追い込まれていた状況だったけど、何とか食らいついていくことができた。粘ったことがいい結果につながったかどうかは、よく分からないけれど。手応え?打って一生懸命走っていたので…」

 今季初対戦の前田を相手に2点を先制される苦しい展開。四回に1点を返したが、六回に再びリードを広げられた。昨季は1勝4敗、防御率0・40に封じられた天敵は今年も健在…。それでも、漂いかけた敗戦のにおいを粘り腰でぬぐい去った。「スライダーが良かった」。上本はそう振り返ったが、宝刀が甘くなったところを見逃さなかった。

 和田監督は開口一番「あれが大きかったなあ。甘い球を一発で仕留める。上本の持ち味」と賛辞を惜しまなかった。

 広島に移動した前日、上本は今季を振り返り、本心を吐露していた。「ミスをした日は家に帰ってからもずっと考える。簡単に切り替えられるものではないけど、それが悪いことだとは思わない」。23日の巨人戦。同点の九回1死一塁で代走の一塁走者鈴木に盗塁を許した。梅野の送球を捕球した上本のタッチが一瞬早いように映った。それでも結果として決勝の生還を許した。ベンチで高代守備走塁コーチから技術不足を指摘されていた。

 上本は切り替えない。結果が出ても浮かれない。その信条を胸に雪辱した。故郷広島での凱旋カード。意識しないはずはないが、「特に…」と涼しい顔をした。これで7月は14勝3敗。貯金を今季最多タイの9に戻し、首位巨人との差を再び1・5に縮めた。上本が猛追の旗頭になる。

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