ゴメス消えた!新井2年ぶり4番も…
「阪神0‐4ヤクルト」(29日、甲子園)
開幕から全試合で4番を担ってきた阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が、発熱で今季初の欠場。また、27日の広島戦から2試合連続で梅野隆太郎捕手(23)も欠場した。2人の名が消えた打線は沈黙。先発の岩田を援護できず、今季7度目の零封負けで3連敗となった。
ため息が歓声に変わることは最後までなかった。スコアボードに並んだ9個のゼロ。ウル虎ユニホームに身を包んだ聖地がい旋試合。猛虎が沈んだ。今季7度目の完封負け。快進撃から一転の3連敗。昨年の悪夢がよみがえる急停止だ。
反攻の7月を支えてきた両雄の姿が、戦場になかった。開幕から全試合で4番を張ってきた主砲・ゴメスが発熱で今季初欠場。梅野は左手親指の打撲で、2試合連続でスタメンを外れた。
「長引くものじゃないと願ってるし、祈ってる。治療にも行ったけど、今日は出られる状態じゃなかった。状況が整えば、1打席勝負も考えてたけど」と和田監督。試合開始寸前にベンチに入ったゴメス。一発勝負の場面で切り札投入を考えていたが、そんな場面すら訪れない完敗だった。
ならばと期待を背負い、2年ぶりの4番に座った新井は4打数無安打の3三振。もちろん新井だけが敗戦の責を負う展開ではなかった。わずか5安打。だが、不測の事態に起用された選手がレギュラー陣とタッグを組み、危機を救う勝利をもぎ取ってこそ、優勝を手中にできるチーム力の証明ともなる。
26日の広島戦でファウルチップを捕球する際に左手親指を打撲した梅野。打撃練習には和田監督が寄り添い、出場の可否を探っていた。「検査して折れて(骨折)はなかったけど、腫れがあるんでね。キャッチングにも影響があるということで。日にち薬になるのかな」と指揮官は表情を曇らせた。
経験豊富な鶴岡が2試合連続でマスクをかぶったが、二回、無死一塁からワンバウンド投球を止めきれず(記録は暴投)、その後の連続安打で先制点を失った。白星で飾れなかったことで、梅野の欠場も暗い影を落とした。
固定メンバーで戦うのが理想だが、144試合の長丁場を理想論だけでは戦い抜けない。こんな時に穴を埋める戦士が現れる集団は強い。ピンチはチャンス。発想の転換。究極の開き直り。窮地を切り開け‐。