しっかりせぇ能見!6連敗で屈辱10敗目
「阪神1‐8ヤクルト」(31日、甲子園)
7回3失点と試合はつくった。でも、それだけではエースとは呼べない。阪神・能見篤史投手(35)が自身6連敗で10敗目を喫した。チームは2カード連続負け越し。背番号14の復調なくして優勝はない。そして本拠地・甲子園は8月1日に誕生90周年を迎える。月替わり、もう一度、再出発だ。
チームとして、思うようにかみ合わない。初回と七回に失点したものの、119球を投げての7回3失点だ。援護があれば…という展開がまたも続いて自身6連敗。それでも、能見は言い訳することなく、自分を責めるように口を開いた。
「(勝ち星が遠いのは)ゼロに抑えられてないからね。なかなかね」
結果的に、自身が投げた最初と最後のイニングに失点する形となった。まずは初回だ。2死一塁から、4球目の高めに浮いたスライダーをバレンティンにバックスクリーンへ運ばれた。先制の2ラン。試合後、「失投と言えば失投」と振り返った悔やまれる一球だった。
それでも、三回は1死満塁のピンチを無失点に抑えた。「修正できたというか低めにいくようになった」と能見。四回から六回までは打者9人でピシャリ。流れを引き寄せよう と懸命の投球を見せたが、打線は村中を攻略できない。そして七回だ。2死から村中に中前打を許すと、そこから3点目を奪われた。
「早い段階で1点でも2点でも取れていればまったく違う展開になっていた。その間(能見が粘っていた間)に援護がなくて踏みとどまれなかった」と和田監督。左腕をかばったのはここ最近の投球も踏まえてのものだ。
これで能見は10敗目。ただ、この試合を含めて最近3試合は打線の援護に恵まれていない。前々回の巨人戦は6回2失点で、2安打完封負け。前回の巨人戦では9回3失点で完投しながらも、打線が初回の2点止まりで5安打での敗戦だった。
優勝を狙う上で能見への期待は大きい。だからこそ、早く逆襲の一歩となる白星を付けてやりたい。指揮官が思いを口にする。
「そこが勝たないと。何とか状態を上げて欲しい。勝ち星が付かないと(能見も)気分的に上がってこない」
チームの期待は、能見も分かっている。だからこそ、無失点に抑えられなかったことを悔やんだ。黒星の重さに耐える日々。我慢を重ね、自分を信じて投げ続けるしかない。