能見は巨人にぶつけない 虎ローテ再編
阪神が“能見復活”をテーマに先発ローテを再編することが4日、明らかになった。自身ワーストの6連敗中と苦しむ能見篤史投手(35)を、14カード連続で先発中の巨人戦(12日~・東京ドーム)ではなく、9日の広島戦(京セラドーム)に配置。交流戦から続く負の連鎖を止め、勝ち運を取り戻した上で、ペナント終盤へ臨む方針だ。
是が非でも負の連鎖を止めさせなければならない。勝負の終盤戦へ、左腕の力が必要だからこそ勝ち運を取り戻さなければならない。自身ワーストの6連敗と苦しんでいる能見。技術面やコンディションの問題ではないからこそ、白星こそが最大の“良薬”になる。
甲子園での指名練習に参加した中西投手コーチは「巨人戦よりも能見の状態を優先する。フォームやコンディションの問題はクリアしている。1つ勝てばポンポンと行くと思う」とローテ再編について語った。5日のヤクルト戦に、雨天中止で2度先発が流れたメッセンジャーを投入。岩田、歳内と続き、週前半に投げていた能見を中8日で9日の広島戦に持って行く。
これにより12日からの巨人3連戦はメッセンジャー、岩田、中5日で藤浪が先発予定。14カード連続で続いた巨人戦の登板記録は途切れることが濃厚だが、本人は「間隔は特に問題ない。自分がどうこうよりチームが勝てばそれでいい」と言い切る。
能見が先発した試合は5月24日のソフトバンク戦を最後に8連敗中。ただその中には好投した試合もありながら、打線の援護に恵まれない不運も重なった。それだけに「気にしてもしょうがないし、周りからそう思われても(チームメートが)硬くなるし」と仲間たちの心情をも察した左腕。そんな悪循環を止める要素はやはり、白星でしかない。
この日は指名練習に参加し、キャッチボールなどで調整。帰り際、藤浪を見つけた左腕は「こいつの運をもらっときます!」と笑ってクラブハウスへ戻っていった。負の連鎖が止まれば、ローテの流れから月末の巨人3連戦に先発する可能性もある。優勝するために欠かせない左腕‐。1勝ですべての流れは変わるはずだ。