“夏男”藤浪、苦手京セラ克服し8勝目
「阪神7‐5広島」(8日、京セラ)
逆境の中で、真価を発揮した。エース前田と今季2度目の投げ合い。阪神・藤浪が尻上がりの投球で8勝目を手にした。「(前田は)本調子ではなかったかもしれないですが、弱っている相手を叩かないわけにはいかないので。チームとして勝てて良かったと思います」。2年連続前田に投げ勝ったことより、チームの勝利を喜ぶところが藤浪らしい。
序盤は守備の乱れに足を引っ張られた。1点ビハインドの三回は1死二、三塁から丸の二塁正面の打球を上本が失策。リードを3点まで広げられた。その後もピンチは続いたが冷静にしのいだ。「自分も四球を出して失点してしまうことがある。切り替えようと思って投げました」。中盤以降はテンポ、配球を工夫。攻撃にリズムを生み、逆転を呼んだ。
マウンド対策が功を奏した。「硬いと思ったので掘って入ろうと思いました」。スパイクで自分の足場をつくりここまで今季2戦2敗、防御率8・38と相性が悪いマウンドを克服した。
これで広島戦は昨年7月7日から6連勝になった。「(八回も)いく気満々だったんですけどね。これから暑い時期は若い自分が長いイニングを投げたいです」。新鯉キラーは試合後も涼しい顔だ。夏本番。藤浪の季節がやってきた。