Gへ0・5差!和田監督は新井を賞賛
「阪神5‐4広島」(9日、京セラ)
あと1球コールが、心地よく鼓膜をくすぐる。小窪のバットが空を切り、ウイニングボールが鶴岡のミットに収まった。阪神が、メッタ打ちを食らった神宮の悪夢を忘れさせた地元での連勝。宿敵・巨人に0・5差。首根っこをつかまえた。
下半身の張りで欠場したマートン不在の打線が効率よくつながった。二回、無死一塁から、代わって5番に座った新井が中前打でつなぎ、伊藤隼が先制犠飛。四回には無死二、三塁から新井が右犠飛。清水、能見にも適時打が生まれ、勝利への道筋は広がった。
「代わりに入った新井が5番バッターの役割を果たしてくれた」。和田監督はぽっかりと空いた穴を埋めて余りある打撃で、白星を呼び込んだ新井の奮闘をたたえた。
長丁場には必ず訪れる主力の欠場やアクシデント。その窮地をしのぐ選手層の厚さこそが、優勝できる集団の証明。「全く意識しないことはないけど、連勝を伸ばせるように」。自然体で戦うことが前提条件。その先に頂上が待っている。