上本初球先頭V弾、4安打!岩貞を援護
「DeNA2-5阪神」(17日、横浜)
プレーボールの直後に飛び出した会心の一撃‐。これがチームに、自身に大きなうねりを生み出した。阪神・上本が放った自身初の初回、初球先頭打者アーチ。思い切りの良いスイングは、自らの中で一つの“殻”を破った揺るぎない証しだった。
これまで第1打席の初球、そして長打を狙うケースは少なかった。状況を読み、出塁する手だてを考えながら打席に立つ姿が印象的だった。だがこの日は「チームを勢いづけられる打撃がしたかった」。高崎が投じた初球、142キロの甘い直球を迷わず振り抜いた。
打球は左翼席に飛び込む自身2本目の先頭打者アーチ。さらに四回の第3打席では左翼線へ貴重な追加点となる適時打を放ち、六回にも中前打で出塁。八回の第5打席ではうまく右前に落とし、2年ぶりとなる4安打の大暴れだ。
西岡をはじめ、球界を代表するトップバッターは連敗中などに、あえて第1打席で一発を狙うケースがある。関川打撃コーチが「1番に長打が出ると勢いが違う」と語ったように、上本が狙ってアーチをかけた事実は1番打者としての確かな成長を物語っている。
5月21日以来となる猛打賞の固め打ちに「いいきっかけになれば」と語った上本。壁を乗り越えた背番号4が、さらなる飛躍の時を迎えている。