「阪神８‐１中日」（１９日、京セラ）

　拍手と声援に背中を押されてベンチを飛び出した。復帰を歓迎する声が身に染みた。「びっくりしました。温かい声援だと思いました」。阪神・大和が「緊急昇格」で帰ってきた。

　出番は七回だった。１死から二塁打で出塁した福留の代走でグラウンドへ。２死二塁の梅野の打席では３球目に三盗を試みると、赤田の悪送球もあってそのまま８点目のホームへ。攻撃後は、中堅に入り、八回１死からの平田のライナー性の打球を難なくさばいた。

　勝利で締めくくった長い１日。この日は、昼間に鳴尾浜でウエスタン・ソフトバンク戦に「２番・中堅」でスタメン出場した。初回に１死無走者から左越えの二塁打を放つと、三回無死一塁の場面では投犠打を成功。八回裏の守備からベンチに下がり、京セラドームに移動した。

　「試合に使ってもらえてうれしかった」と大和。黒田ヘッドは「今日の内容が良かったから」とこの日の昇格を説明。さらに、左腹斜筋肉離れで７月２６日以来となる１軍での舞台でも軽快な動きを披露した。和田監督の言葉にも力がこもった。

　「大和がいれば攻撃の幅が広がる。（明日以降）スタメンというのもあると思います」。みんな待っていた。帰ってきた男がチームをさらに加速させる。