福留が同点弾 同郷の後輩金田を後押し
「阪神5-4中日」(21日、京セラ)
劣勢をはね返し、同郷の後輩を力強く後押しした。阪神・福留が同点弾。同じ鹿児島出身、金田の先発での初勝利をアシストした。
「鹿児島の後輩が投げているので、援護できてよかった」。金田と上がったお立ち台。打席では鋭い眼光のベテランが、何度も笑顔を見せた。
初回に金田が2失点。迎えた二回1死一塁だった。カウント2ストライク。身長2メートル3センチのカブレラが投じた内角低めの147キロを豪快にすくい上げた。
「角度があるので、あの高さを意識しながらうまく打てた」。右翼席へ8日の広島戦以来の同点5号2ラン。米大リーグ時代を含めて、この試合まで通算12打数1安打だった右腕から完璧な一発で、4連勝への流れを生み出した。
金田は同郷の大和、榎田らとともに気に掛けてきた後輩だった。投手と野手で接する機会が少ない中、今春キャンプと7月の広島遠征中に4人で「鹿児島会」を開催。自身の経験を伝え、助言も送った。
期待も大きい。ここまで中継ぎで奮闘してきた右腕に対して「1軍でいい経験をしている。一つのステップとして無駄にならない」と目を細めつつ、「きょうはベンチで一度も笑わなかったので、笑うように指導しておきます」と笑顔でゲキも飛ばした。
今季は3月30日の巨人戦で西岡と激突して負傷した影響もあって打率・214。それでも勝負強さは失われていない。今季の本塁打のうち、1号以外は全て同点弾か決勝弾。本塁打を放った試合は5連勝中だ。
「僕たちは勝つだけ。全て勝てるように頑張りたい」。中日時代に3度のリーグ優勝を経験しているベテランは、優勝争いの佳境で欠かせぬ存在となる。