マエケンキラー隼太が唯一の長打で意地
「広島6-0阪神」(22日、マツダ)
「キラー」の名を腐らせなかった。阪神・伊藤隼太がマエケンからチーム唯一の長打を放った。6‐0の九回。福留が四球を選び、1死一塁で4打席目が巡ると、追い込まれてから真ん中のチェンジアップを引っ張った。右翼線で跳ねる打球で、二塁へ。完封目前の敵エースはマウンドで悔しさを隠さなかった。後続が倒れ得点にはならなかったが、最終打席で意地を見せた。
「結果として完封されているので、(前田の)状態は良かったと思うけれど、個人としてはミスショットというか、悪い癖が出て凡退してしまった。チャンスの場面で打てていれば、展開が変わっていたかもしれない」
3点を追う四回2死一、三塁のチャンスで初球のチェンジアップを捉えきれず、一ゴロに倒れた。四球を選んだ二回以外の3打席は、すべて初球からスイングした。前回、前田と対戦した8日は3打数3安打。勢いそのままに積極性を貫いたが、やはり簡単な相手ではなかった。
「きょうは反省すべき点の多い、4打席でした」。それでも対マエケンは今季7打数5安打で打率・714。根深い苦手意識を植え付けるためにも、Hランプは必要だった。完敗の中で意義ある快打になったはずだ。