和田虎に首位の壁 マエケンに完封負け

 「広島6-0阪神」(22日、マツダ)

 阪神がマエケンの前に5安打に封じ込まれ今季8度目の完封負け。首位巨人に0・5ゲーム差で迎えた今季6度目の首位浮上のチャンスだったが、失敗。和田豊監督(51)は「引きずることはない、2戦目が大事」と切り替えた。巨人が勝ってゲーム差は1・5に広がった。仕切り直す。

 リベンジに燃える好敵手の反骨心に屈した。今季8度目の完封負け。スコアボードに並んだ9個のゼロが、蒸し暑さと重なって不快指数を倍加させた。好機はあった。それだけにむなしさが募る敗戦となった。

 得点圏に走者を送り込むこと5度。3者凡退はわずかに3度。あと1本出れば、足元から崩れ落ちそうだったマエケンを最後まで打ち崩せなかった。4打席連続三振のゴメスを筆頭に12三振。本塁が遠かった。

 「ここ2回(の対戦)は得点できていたんだけどね。今日はマエケンに本来のピッチングをされてしまった。こういう時に打ってこそ価値があるんだけどな」と和田監督。本来の姿と認めた敵のエースを攻め立てた部分は評価しつつも、攻略し損ねた点には苦虫をかみつぶした。

 七回途中までに10安打を浴びせ、7点を奪った8日の広島戦。「こういうのは初めてじゃないかな。今日に関しては、みんな狙い球が絞れていた」と指揮官はKOに追い込んだ打線に拍手を送った。続けることでこれまでの苦手意識を完全にぬぐい去り、逆に猛虎への嫌悪感を植え付けることができたが、最後まで主導権を奪うことはできなかった。

 4連勝で乗り込んだ眼下の敵に敗れ、6度目の挑戦となった首位奪取は、またも未遂に終わった。今月初となる7カードぶりのカード初戦黒星。マエケンが本調子だったとはいえ、藤浪で落とした星は重い。

 「今日のゲームを引きずることはないだろうけど、初戦を落とした後の2戦目だからね。大事になってくるね」と和田監督は、2戦目を託した能見への期待感を口にした。

 勝ち続けることは究極の理想でも、歴史が代弁するように、それは不可能なこと。優勝するためには連敗しないこと、負けを引きずらない次戦の戦いが大事になってくる。昨年は苦杯をなめた8月終盤からの大失速。同じ過ちは繰り返せない。傷が浅いうちの手当てが肝要だ。

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