岩貞2勝目次こそ!2失点よう投げた
「広島2-8阪神」(24日、マツダ)
2つ目のウイニングボールは手に入らなかった。阪神・岩貞は唇をかみながらマウンドを後続に託した。それでも、6回2失点の好投が猛虎打線に活力を与えて、執念の逆転勝利。3位転落の危機を回避できたのは、ドラ1左腕の粘りがあったからだ。
「1点先制してもらった状態で、追い込んでから打たれた。次はないようにしたい」
チームの勝利を喜んだ一方で、自身の投球には反省の言葉を並べた。1‐0の三回。先頭・鈴木誠に左中間フェンス直撃の二塁打を浴びた。動揺したのか、続く会沢にはストレートの四球。その後2死一、三塁として、菊池を迎えた。
初球ストライク後、2球目に二盗を決められる。ここで梅野がマウンドへ。「投げ急いでいたので、間を取りに行った」とはやる相棒を落ち着かせた。ところが、空振りで追い込んだ後、岩貞は146キロ直球を捉えられた。この日の最速を低めに投げながらも、左中間へ2点適時打。逆転を許し、最少リードを守りきれず天を仰いだ。
プロ3戦目。立ち上がりは過去最高だった。直球で2回を6人斬り。デビュー戦で土をつけられた相手に、力勝負を挑んだ。失点後の四回からはカットボール、スライダーがさえた。結局、三回以外は無安打投球。和田監督は「よくゲームをつくってくれた。(菊池への)あの1球だけだな」と及第点を与えた。
初勝利を挙げた17日・DeNA戦。六回に連続被弾を食らい降板した。プロのパワーを思い知り、低めへの制球を1週間磨き続けた。この日も2本の長打を浴びたが、前回阻まれた六回を投げきった。
「次は勝った状態で後ろにつなげたい」。笑顔なく話した言葉に、雪辱の思いをにじませた。プロ最長マウンドに達した粘りの投球。首位決戦を前にチームを救った力投を、必ず次戦に生かす。