関本、神の一撃!代打2点打で2位死守

 「広島2-8阪神」(24日、マツダ)

 代打の神様が決めた。八回、2‐2の同点に追い付いてなお1死満塁で、阪神・関本賢太郎内野手(35)が左中間へ勝ち越しの2点適時二塁打を放った。負ければ3位転落の危機だったが、勝負強い男の一振りで逆転勝利を手にした。首位巨人が敗れ、ゲーム差は1・5。26日からの直接対決3連戦で、首位を奪う。

 関本がどうしても負けられない一戦で勝負強さを発揮した。1点を追う八回。1死満塁から伊藤隼が押し出し四球を選び同点に追いつくと、和田監督は続く梅野に「とっておき」の代打を指名した。切り札は3ボール1ストライクから中崎の内角直球を捉え、打球を左中間に弾ませる2点適時打で勝ち越し。二塁ベース上で7度手をたたき、思いっきり右腕を突き上げた。

 「隼太の押し出し四球で気持ちが楽になったよ。カウント有利だったし、外野フライは頭になかった。押し出し四球もよぎったけど、押し出しでは1点しか入らない。ヒットで2点取りたかった」

 4連勝で乗り込んだ広島との上位決戦でまさかの連敗。26日から迎える首位巨人との3連戦を控え、暗雲が漂いかけていた。それでも、プロ18年目の35歳は「2連敗していたけど、いつも負けられへんことには違いないから。毎日、そうやから」と平常心を絶やさず、ここぞの出番で最高の結果を導いた。

 毎夏、10代を懐かしむ。甲子園を目指した母校天理高は奈良大会で敗退したが、高校球児の奮闘を目にすれば当時の心意気がよみがえる。今季のプロ野球開幕戦で、史上初となる新人でプロ初打席初アーチを初球に放ったヤクルト・西浦は天理の13期後輩にあたる。西浦が奈良大会で打率8割1分を記録したことを聞かされると、笑顔で「勝負してもらえたんやな」と漏らした。

 当時の関本は1学年上の南京都・斉藤和巳(元ソフトバンク)とともに近畿で「怪物」扱いされ、まともに勝負をしてもらえなかった。10代で選球眼を養いプロの礎を築いた。

 19日、2度目のFA権取得条件を満たした。感想は「12年間、1軍にいることに驚きを感じる」。初の1軍昇格を前日に控えた鳴尾浜で「まだ足りない」「もう一回」と、練習後に寮と室内練習場を何度も往復していた13年前が関本の土台だ。指揮官最敬礼

 「とっておきがいい仕事をしてくれた。一番いい形でつなげてくれた。さすがだね」。前夜、会見を拒んだ和田監督は最敬礼でベテランをたたえた。首位巨人が敗れ、再び1・5差に接近した。さあ、首位攻防だ。「いい気分でいけると思う」。とっておきの神様が牙を研ぐ。

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