和田虎悪夢2暴投で暗転…Gと2・5差
「巨人4‐3阪神」(26日、東京ド)
阪神が巨人との首位攻防戦初戦でサヨナラ負けを喫し、ゲーム差が2・5に広がった。3‐2の九回、抑えの呉昇桓投手(32)が1点のリードを守れず、夏のロード勝ち越しもお預けとなった。27日も敗れると、自力優勝の可能性が消滅。このままやられるわけにはいかない。今こそ奮起する時だ。
大暗転。最後の最後に地獄が待っていた。開きかけた天国へと続く扉は、音を立てて固く閉ざされた。悪夢のサヨナラ負け。悲劇と歓喜のコントラスト。勝利目前、猛虎軍団が奈落の底に突き落とされた。
絶対的守護神・呉昇桓が敵地に沈んだ。1点リードの九回、満を持して歩を向けたマウンド。だが、先頭の阿部に右線二塁打。続く村田の6球目に暴投。無死三塁から同点の右犠飛。悲劇は終わらない。
四球。またしても隠善の4球目に暴投。得点圏に走者が進んだ2死後、ロペスにサヨナラの中前適時打。12試合ぶりの失点が、目前に迫った勝利を消し去り、信じられない敗北を運んできた。
「いつもと同じ気持ちでマウンドに上がったけど、結果が悪かったので、今日は特に言うことはありません。明日から気持ちを切り替えてやるしかないです」。敗戦の責任を一身に受け止めた呉昇桓。失意と疲労感が体と表情ににじみ出た。
敗北を見届けてなお、ベンチに立ち尽くした和田監督。ベンチ裏に戻ると、右の拳でスイングルームの壁をたたいた。充血した目。紅潮した顔。全身から悔しさがあふれ出ていた。
「こういう接戦で、首位を争っている試合では、ミスをした方が負けるということ」。記録は呉昇桓の2暴投でも、2つ目は鶴岡の股間を抜けていった。抑え捕手のほころび。致命的な痛みとなって、涙雨を降らせた。
2・5差。この3連戦での首位奪取は幻と消えた。逆に、連敗すれば、自力優勝の可能性が消滅する立場に追い込まれた。
「この3連戦はどれも大事な試合。今日落としたことで、より明日が大事になってくる。もう1回行きます」。和田監督は自らを奮い立たせるように力を込めた。
残り31試合。あくまで机上の計算であっても、夢を消すわけにはいかない。思い出せ、昨年の悔しさを。リベンジのチャンスはまだ残されている。今こそ、熱くなれ‐。