ここぞの鳥谷!今季6度目の4安打

 「巨人4‐5阪神」(27日、東京ド)

 キャプテンの働きが無ければ、価値ある逆転勝利は無かった。阪神・鳥谷が積み重ねた4本のヒットが無ければ、ペナントの火は間違いなく消えていた。同点への流れをつくり、ゴメスの勝ち越し弾を演出。崖っぷちのゲームで見せた背番号1の底力が和田阪神を救った。

 2点を追う八回、鳥谷が反撃ののろしを上げた。無死一、二塁で迎えた第4打席。「前の甲子園での対戦で同じ状況で三振した。だから積極的に思い切って」と初球から左腕・山口に食らいついた。ファウル後の2球目、外角スライダーをきれいに引っ張ると打球は右中間を破った。

 1点差に迫る適時二塁打。なおも無死二、三塁の好機を演出し、マートンの併殺打間に同点となる価値ある1点をもぎとった。続く延長十回には「とにかく塁に出ること」とマシソンが投じた初球、148キロの直球を捉えての中前打。今季6度目となる4安打の固め打ち。この1本が、続くゴメスの決勝2ランを誘発した。

 「あの3連敗後にチームのムードが沈んで立て直せなかった」。昨年、同時期に東京ドームで食らった痛恨の3連敗。もっとこうしていれば、こう戦っていれば‐。その思いがあったからこそ、前半戦から鳥谷の意識は変わっていた。

 「本当に相手のこともよく見ている」と関川打撃コーチが明かしたように、守備中でも相手打者の良い部分を見つければ積極的に取り入れた。たとえ自分が打席に立たなくてもベンチから相手の配球を読んでいた。

 すべては勝負どころで結果を出すために‐。和田監督は「トリのつなぎが無ければ勝ち越しの本塁打もタイムリーも無かった」と称賛を惜しまなかった。「明日、勝つか負けるかで変わる。勝って帰りたい」と力を込めた鳥谷。その存在感が負けられない一戦で大きく際立った。

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