能見エースの自覚!7回2失点7勝目
「阪神10-5ヤクルト」(29日、甲子園)
感慨はひとしおだ。阪神・能見が狩野の復活に華を添える7勝目。長期ロードを終え、甲子園初戦を勝利で飾った。
「狩野が打って良かったですし、うれしいです。あそこで打つのも大したもの。僕の中でも特別なものがあります」
自分の白星よりも、かつてバッテリーを組んだ狩野の活躍がうれしかった。前年の未勝利から13勝を挙げた09年、矢野の故障で正捕手の座をつかんだ狩野とともに、ブレーク。オフの自主トレは沖縄で一緒に汗を流した。
ただ、エースまで駆け上がった能見に対して、狩野は度重なる故障に苦しんだ。それでも「メールとかはちょくちょくしていた」と復活を信じていた。狩野も「もともとバッテリーを組んでいて能見さんに育てたもらった部分は大きい。こういう結果が出て本当にうれしいです」と感謝の言葉を並べた。
投球は本調子ではなかったが、必死に耐えた。「打たせて取るピッチングでゲームをつくってくれた」と和田監督が評したように、再三、走者を許しながらも、キレ味鋭い直球に緩い変化球を交えて3併殺。「3つ取れるのは、なかなかないので。あんまり良くなかったけど、うまく緩急を使えた」と六回まで無失点に封じた。七回に2点を失いリリーフの継投を仰いだが「勝って良かった」とチームの勝利を喜んだ。
4三振を奪い、阪神投手では9人目の通算1000奪三振まで、あと2つ。偉業達成は次回以降へお預けとなったが、これから大仕事が待っている。中西投手コーチは「まだ分からないけど、最後はエースにかけてみたいのはある」と話し、11日・巨人戦の先発を託す考えを示した。白星に恵まれず苦しんだ今シーズン。逆転Vへ能見が9月の主役を張る。