和田監督、怒り収まらず!鶴よ逃げるな
「阪神2‐4ヤクルト」(8月31日、甲子園)
敗戦から1分とたたず、会見場に足を踏み入れた阪神・和田監督の目尻がつり上がっていた。紅潮した怒気に満ちた表情。指揮官の怒りの矛先は、勝負を挑まず、逃げの姿勢に終始して押し出しを与えた鶴に向けられていた。
3点ビハインドの六回、2死二、三塁。山田封じの刺客を命じたが、ストレートの四球。続く代打・バレンティンにも1ストライクからの4連続ボールで押し出し。劣勢感を強めた4失点目。怒りは収まらなかった。
「広い甲子園でそこまで逃げ倒しとったらな!山田に勝負しにいってああなって。ベンチからしたら、そこが誤算だった。勝負にいって打たれたら仕方ないんだけどね」
ベンチは山田との勝負を指示したが、鶴にその気配が感じられなかった。目先をかわし、打ち損じを期待するかのような弱気な姿勢。結果、2者連続四球で押し出し。共有されるべき熱と意識の違いに我慢は限界を超えた。
最終回、2点差に迫る適時内野安打を放った鶴岡に代走を告げた。捕手不在に陥る事態になっても、逆転を狙う強い姿勢を見せたが、願いが通じることはなかった。
「今日の負けを振り返っても仕方がない。前を向くしかない。まだまだ。これから、これから」。失速感漂う3カード連続負け越しにも虎将は前を向いた。首位・巨人も敗れ、ゲーム差は2・5のまま。まだツキはある。しかるべき手を打ち、早急に立て直しを図る。