和田監督「攻めたけどダメ」虎3位転落
「中日6‐0阪神」(5日、ナゴド)
球界のレジェンドにやられた。阪神は打線が振るわず、今季10度目の完封負け。中日先発の山本昌投手(49)に史上最年長勝利を献上した。首位巨人が敗れ、優勝マジックは一夜にして消滅したが、虎は再び3位に転落した。
拙攻の連続が虎を縛り、敵軍に力を与えた。あと1本…。決め手を欠いた猛虎打線が、山本昌にプロ野球史上最年長勝利を献上した。今季10度目の完封負け。巨人との差を詰めるどころか、一夜にして3位転落だ。
初回の絶好機を逸したところから歯車が狂った。1死三塁。三走・上本には、バットに当たった瞬間にスタートを切れ!との指示が飛んでいた。鳥谷が前進守備の二塁にゴロ。しかし、スタートが遅れた。クロスプレーにもならず本塁憤死。「アウトになるにしても、もう少しいいスタートを切ってほしかった」と和田監督が嘆いた。
もぎ取りにいった先制点を奪えず、戦況は次第に重さを増した。三回、2死一、二塁でゴメスが中飛。先制された直後の五回には、三回に続いて能見が先頭で出塁したが、上本が遊ゴロ併殺。山本昌を仕留め切れず、メモリアル勝利を後押ししてしまった。
それでも指揮官は攻めに徹した。六回、無死一、二塁。局面を劇的に切り開く強攻策に打って出たが、新井は空振り三振。代打・今成が左飛。鶴岡が見逃し三振。勝負手は実らず、逆に敗勢を色濃くした。
「今日は攻めたんだけどね。ダメだった。(走者が)詰まってるから、進めるんじゃなくて、かえすバッティングをしてほしかったんだけど。そういう勝負に出たんでね。それはこっちの責任」。和田監督は敗北の責を背負い込んだ。
乗り切れない。8月21日の中日戦で4連勝を飾ったのを最後に連勝がない。相手のミスにつけ込んで勝利した前夜の勢いを生かし切れない現状。残り試合が少なくなっていく中で、宿敵との差を詰められない勝負弱さ。猛虎の荒々しさが消えている。