藤浪、4連敗の自分に怒…巻き返し誓う
「中日7‐2阪神」(6日、ナゴド)
自分への怒りを抑えきれなかった。阪神・藤浪はグラブで激しく左足をはたいた。同点に追いついた直後の六回だ。1死一塁から、森野に初球を狙われた。149キロ直球は吸い寄せられるように真ん中へ。快音を残した打球はライナーとなって右中間を真っ二つに割った。
「気を抜いたわけではないです。しっかり腕を振ったボールでしたが、相手に踏み込まれてうまく打たれてしまいました。同点に追いついてもらった直後だったので、もったいなかったです」
6回を投げて6安打3失点。プロ入り以来、負けたことのなかったナゴヤドームで初黒星。これで自身4連敗の8敗目を喫した。約1カ月、白星から遠ざかり、4つの貯金もすべてはき出した。
後半戦から続く負の連鎖を断ち切れない。小さく振りかぶる投球フォームで試合に臨んだが初回先頭へ四球。2死二塁のピンチを背負うと、平田に148キロのツーシームを中前へ打ち返された。これで5試合連続初回失点。立ち上がりの悪癖が直らず、和田監督も「5試合続いているから。そこが1つの課題なんだけど、克服しきれていない」と嘆いた。
8月は優勝を争う巨人、広島と2度ずつ対戦したが、1勝3敗に終わった。前回の巨人戦から中8日。通常より2日間長い調整期間を利用して、現状打破を図った。「リズムと腕の振りを確認しようと思った」と二塁の守備位置でノックを受け、三塁方向へのスローイングを繰り返した。さらに甲子園のアルプス階段を駆け上がり、体をいじめた。ブルペンも2度入った。ところが、すぐに結果には結びつかなかった。
試合後、藤浪は帰りのバスの前で足を止め「ボール自体は悪くないと思いますが、要所、要所でコントロールできていない。配球、球種を工夫したい」と巻き返しを誓った。1年目はピンチの局面でギアチェンジし、真価を発揮した。持ち味の勝負強さをもう一度、取り戻したい。