岩田、悔恨1泣…井端に同点ソロ被弾
「阪神1-3巨人」(10日、甲子園)
再三のピンチを切り抜けてきた中での、100球目だった。井端のバットから快音が響く。ゼロが並んでいたスコアボードに「1」が刻まれる。そこまでの粘りが無に帰すことはなくても、阪神・岩田が一球に泣いた。7回1失点での降板だった。
「勝てなかったら一緒です」
試合後は、言葉少なにロッカーへと歩いた。チームの連敗を止めるべく、意地は見せていた。それだけに七回を悔やんだ。
打線が、六回無死三塁で無得点に終わった直後のマウンドだった。2死からの井端に対し、カウント2‐2からの外角球がギリギリでボールとなり、迎えたフルカウントからの6球目。内寄りの直球を左翼席に運ばれた。痛恨の同点ソロ弾となった。
それでも、中西投手コーチは「井端の一発も、しょうがない。今日の岩田は責められない」とかばった。初回に1死三塁のピンチを切り抜けると、五回の1死二、三塁も無失点に。打線が再三の好機を逃す流れの中での粘りは、勝利に値するものだった。
この日に向け、入念に準備を整えていた。敗れた3日のDeNA戦から、3日後の6日と4日後の7日には試合前練習に工夫を施した。ポール間のランニングを行ってからキャッチボール、その後は、約40メートルのダッシュを挟んでキャッチボールという形を2度繰り返した。
山口投手コーチは、3日のDeNA戦で二回以降毎回走者を出したことを踏まえて「イニングの先頭を抑えたいという意識でやってたんと違うか」と説明。ダッシュなどで心拍数を上げてから投げることで、実戦に近い状態もつくれる。
この日は逃した節目の10勝。それでも、高い意識で挑む日々の積み重ねは、必ず報われるはずだ。