能見ぶざま…自己ワースト13敗目
「阪神2‐6巨人」(11日、甲子園)
最後のとりでが崩れた。今季最後の伝統の一戦で、虎のエース能見が5回5安打4失点。首脳陣、ファンの期待を一身に背負ったが、残酷な結末が待っていた。「ヨーイドンであれじゃね。初回は慎重にいったけど」。能見の淡々とした口調に、無念さがにじんだ。
明るさの残る甲子園に、怒号が飛び交う。初回だ。1死から橋本へ死球、坂本へ四球、そして阿部はストレートの四球で歩かせた。すべての塁が埋まると亀井にはしぶとくゴロで一、二塁間を破られた。さらに、村田に直球をライナーで左前へはじき返された。連敗中のチームに初回の4失点はあまりに重かった。
立ち上がりの変化球主体の配球に中西投手コーチは「向かっていけなかったな」と疑問を呈した。和田監督も「能見にしてはあれだけ四球と死球を出すのはめずらしい」と首をかしげた。
自身3カードぶりに上がった巨人戦のマウンドだった。試合前まで1勝4敗。決して、好相性とは言えない。それでも集大成の先発を託された。「いろいろあったけどね。4点はきついね」。絶対に落とせないと理解していたからこそ、能見は敗戦を背負い込んだ。
首位の背中は遠のき、4位の影が迫ってきた。CSを見据えても能見の復調は不可欠。目標を見失うチームを次こそ、救いたい。