「阪神５-１７広島」（１３日、甲子園）

　２位とかＣＳ進出とか、もはや、そういう次元の問題ではない。見るも無残なスコア、５‐１７。聖地を埋めた阪神ファンからは試合後、当然ながら厳しい意見が噴出した。和田監督の去就に関しては続投など言語道断…という声が圧倒的。好投の歳内を代えた采配への疑問を口にする小学生もいた。

　怒り、悔しさ、あきらめ…さまざまな思いが球場外の空をさまよった。連勝を願い、甲子園を訪れた虎党。惨敗にため息が漏れた。

　追い上げムードの中盤。継投に批判の声が集中した。家族で訪れた仲谷瑠久くん（大阪・小２）。途中まで逆転を信じていた両親が残念がる中で、「歳内さんを代えた意味が分からない」と首をかしげた。

　さらに水野英喜さん（大阪・５１歳）は「優勝はしょうがないにしても、ＣＳを目指しているのか、来季を見据えているのか、選手起用の意図が分からない。寂しい」と、今後への不安を口にした。

　西村好高さん（京都・３８歳、自営業）は「毎年９月になったら弱くなる。監督が甘すぎる。交代させてほしい」と怒りが収まらない様子だった。

　八回。広島の攻撃中、右翼席に異様な光景が…。得点が入るたびにカープファンとともに、相当数の阪神ファンも万歳を繰り返した。これには、まおさん、ななさん（大阪・高３）の“トラ女子”の２人は「堂林くんを応援するとか最悪。ちゃんと阪神を応援してほしい。阪神の選手に申し訳ないです。こんなファンばかりじゃないというのを分かってほしい」と憤った。

　ただし、やり場のない怒りに打ち震え、投げやりになる虎党の気持ちは分からないでもない。大差がついた終盤。４万６４６４人超の観客発表数がウソのように、一塁側スタンドは空席だらけ。美保さん（兵庫・３９歳、公務員）は「昨日勝って浮かれていた自分が恥ずかしい。クライマックスシリーズに行っても、どうせ負けるんだろうなと思う」と終戦ムードを漂わせた。

　帰途に就く際に、甲子園外周の和田監督のパネルに向かって「しっかりしろ！」と声を荒らげる男性も。ファンが見捨てたくなるような、ぶざまな試合はもう２度と見たくない。