関本V打!西岡とW神様失速ムード一掃

 「ヤクルト3-5阪神」(15日、神宮)

 代打の神様が決めた。1‐1で迎えた八回1死二塁、代打で登場した阪神・関本賢太郎内野手(36)が右中間へ勝ち越しの適時二塁打を放った。この一打で勢いづいた打線は、一挙4得点。8月21日以来となる連勝を飾った。2位・広島とのゲーム差は2・5で変わらないが、虎は最後の最後まであきらめずに戦い抜く。

 見たか、ツヨシ!これが“代打の神様”の真骨頂だ。勝負どころで、緊迫の局面で、関本のバットが久々の快音を放ち、神宮の杜(もり)に響き渡らせた。

 「追い込まれたらしんどいと思っていたので、早めに仕掛けようと思っていた」。こともなげに関本は振り返るが、1打席の勝負で実践するのは至難の業。ベテランの味が出た打席は、同点の八回1死二塁の場面だ。

 鶴岡への代打で登場し、ヤクルト先発・ナーブソンが投じた初球のカットボールを、右中間へ運んだ。「甘いところにきたからね」と捉えた打球は、前寄りに守備位置を変えていた中堅・雄平の頭上を越え、決勝の適時二塁打となった。

 自身、8月24日の広島戦(マツダ)以来となる安打。数字にすれば6打席ぶりだが、1試合で1打席しか勝負の場がなく、試合の終盤で代打に立つ“切り札”にとっては長い我慢の時。それでも集中力を維持するのが「神」の称号を受け継ぐ宿命。重圧からひととき解放され、関本の顔に安どの色が浮かんだ。

 そして、もう1つ。この一打に喜びが詰まっていた。関本が打席に立つ後ろ‐。ネクストには西岡剛が控える。常にお互いをいじり合う名コンビだが…。

 前日の広島戦(甲子園)。1点リードの七回2死二塁で代打・西岡が右中間を破る適時三塁打。そして「セキさん(関本)ならシングル、新井さんならツーベース。僕だからスリーベースになりました」とコメントした。

 「あの挑発はすごかった」。いじりが神の怒りに触れたのか?と思った次の瞬間、「カチンときていたからね。決勝打はツヨシに渡さんと思っていたよ」と笑みを浮かべた。西岡との“コンビ再結成”で、ベンチに明るいムードが流れている。

 そして「とっておきを先に出して勝負を懸けた」と、西岡よりも切り札の関本を先に代打へ送った和田監督の演出もさえた。チームは苦しい状況だが「日々新たに、切り替えてやっていきたい」と関本。この雰囲気。次の勝利へ、そして本拠地CS実現へ、つなげていきたい。

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