鳥谷が上昇!2戦連続マルチ&適時打
「ヤクルト5‐3阪神」(16日、神宮)
完全にどん底は脱した。5試合連続無安打から脱却した次の試合、一時は勝ち越しとなる適時打を含む2安打を放った阪神・鳥谷。3連勝は逃したが、3番の復調はCS本拠地開催を目指すチームにとって大きな兆しだ。
場面は五回、同点に追いつきなおも2死二塁で迎えた第3打席。1ストライクから「頭にはなかった」フォークに体が反応した。軸足に体重を残したまま振り切った打球は、左中間に落ちる勝ち越しの適時打。1点を追う八回には先頭打者として左翼線二塁打で出塁。得点には結びつかなかったが「しっかり振ってのヒットだったんで」と、手応えを明かす。
ヒットが出なかったときは、無意識のうちに体が前に流れていた。関川打撃コーチが「しっかりと軸足に体重を残して振れるようになった」と語ったように、中堅から逆方向へ放った2試合連続のマルチ安打には、確かな技術的要因がある。
和田監督も「状態が上向きつつある。大和も動きが出てきて、点が取れそうな雰囲気が出てきた」と言う。9月に入り、鳥谷のブレーキがチームに暗い影を落としていた。体の状態も決して万全とは言えないが「とにかく勝つことが大事」と主将。残り12試合、背番号1の奮闘が打線のカギを握る。