ゴメス102打点 虎助っ人初1年目大台
「阪神7‐3中日」(20日、甲子園)
打点王へまっしぐらだ。阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が来日1年目の外国人選手として球団初の100打点を記録。25号ソロを含む4安打3打点と大暴れした。リーグトップの102打点まで伸ばし、チームを3カード連続勝ち越しと約1カ月ぶりの3連勝へと導いた。首位巨人、2位広島とも勝利する中、猛虎も一歩も譲らない。
幾多の外国人が届かなかった未踏の領域に到達した。初回2死二塁。ゴメスが雄太の内角直球を振り抜くと、打球は中前で弾んだ。球団史上初となる来日1年目での100打点。不動の4番がバース、フィルダーでも果たせなかった偉業を成し遂げた。
「本当にハッピー、ハッピー。設定していた目標の一つなので達成できてうれしい」。こだわってきた成績で一つの節目を越え、チームも3連勝。お立ち台では笑顔が絶えなかった。
9月は打率・328。「感覚がいいし、ボールが見えている」と話す主砲は止まらなかった。三回無死二、三塁は中前適時打で決勝点をたたき出した。
五回無死は雄太のスライダーを豪快に振り抜いた。左翼席へ25号ソロを放ち、8月14日の巨人戦以来の猛打賞。リーグ打点王を独走する102打点とし、2位の広島・エルドレッドに8差を付けた。
これでメッセンジャーの登板時は8本塁打。「毎日、登板してくれればもっと打てるんじゃないかな」と上機嫌でおどけてみせた。
さらに六回2死一塁は左翼線へ二塁打を放ち、来日初の4安打。“準サイクル安打”に3打点の大暴れだった。
米国では04年にレンジャーズ入団後、大半をマイナーリーグで過ごした。恵まれない環境でのプレーが長かったからこそ、日本の環境に感謝し、真摯(しんし)に野球と向き合ってきた。
外国人選手は結果が伴わなければ、道具に感情をぶつける傾向が強いが、ゴメスはめったに表に出さない。道具も提供されれば素直に喜び、丁寧に扱う。「道具を手入れすることも、野球の一部だと思っている。気持ちよく試合に入りたいからね」。周到な準備と慢心しない冷静な姿勢で、来日1年目での好結果につなげてきた。
2位・広島とは0・5差のままで、残りは9試合。「チャンスはある。まだ試合は続くので、次は110打点ともっと貢献できるように頑張りたいね」。もう失速はしない。ゴメスが甲子園でのCS開催へと導く。