大和「最悪」猛打賞でもバント2度失敗
「阪神3-4中日」(21日、甲子園)
阪神・大和の表情が晴れることはなかった。3安打の感触は両手に残っていなかった。「最悪です」の一言が象徴する。2度のバント失敗が黒星につながった。
八回無死二塁から「普通の失敗です」とシフトを避けて三塁前を狙ったが、スリーバント失敗。十回無死一塁では、プッシュ気味に一塁側を狙ったが、小フライに。「決めなきゃいけないところで決められなかった。悔いが残ります」とうなだれる。
ただ、大和の奮闘がなければ、ここまで展開はもつれなかったのも事実だ。1点ビハインドの六回2死一、二塁から祖父江の外角直球を右翼線へはじき返した。一時は同点に追い付く適時二塁打。三回の右前打、五回の中前打を含めて、2戦連続の3安打猛打賞だ。
延長十回の守備では虎党熱狂のランニングキャッチで魅せた。松井雅の左中間への大飛球にトップスピードのまま、最短距離を駆けて追い付いた。
打席では前カードのヤクルト戦から右脇を意識して開くように構えている。「トップが自然とつくれる」とフォームを改良してから、打率は2割5分を超えてきた。
本人が「それよりも」と悔やんだように2度のバント失敗は確かに痛い。それでも残り8試合で取り返せばいい。挽回できるだけの力が、今の大和にはある。