和田虎17残塁…大拙攻で自力2位消滅
「阪神3-4中日」(21日、甲子園)
勝利だけを義務づけられた立場と状況。敗北という結末が、4時間33分の激闘をむなしく映した。阪神は今季ワースト17残塁の拙攻。連勝は止まった。2位・広島とのゲーム差は1・5に広がり、自力2位の可能性が再び消滅した。
二回を除く毎回、塁上に走者をにぎわした。五回にゴメスの2点適時打で先制。逆転された直後の六回には大和の適時二塁打で同点とした。だが、その後の決定機で築かれたのは凡打の山だった。
「昨日、おとといと出ていたところで、あと1本出なかったな。いろんな反省があるけど、こういう状況なんで振り返っても仕方がない」。和田監督は厳しい表情で敗戦へと至る過程を振り返った。
悔恨のシーン。4番手・福原が直前の攻撃を完璧に封じ込んで流れを生んだ八回。先頭の上本が左翼フェンス直撃の二塁打。勝ち越し点を狙ったベンチの指示は犠打。だが、大和がスリーバント失敗。鳥谷、ゴメスも倒れたことで、ミスの大きさがクローズアップされた。
「そういうことになってくるんだろうけどね。そういうことをしてしまうと、こういうことになってしまう」。大和は延長十回、無死一塁でも犠打を小飛球とした。重圧に負けた2度の過ちが流れを手放し、勝者と敗者を引き裂く要因になった。
全勝指令から初の敗北。4位・中日、5位・DeNAとのゲーム差は6・5。残り試合数を考えれば、2年連続Aクラス確保はほぼ間違いない状況。だが、下克上での逆転日本一を狙う上での第一関門となるCSをにらめば、詰めの甘さは命取りになる。残り8試合。勝利という結果に併せて、宿敵・巨人をなぎ倒す精巧な野球を追い求める必要がある。