和田虎勝て!逆転2位へ聖地で鯉倒や
「DeNA5‐4阪神」(25日、横浜)
痛い星を落とした。阪神は初回に奪った4点のリードを投手陣が守れず、また打線も二回以降は点を奪えず、逆転負けを喫した。得意としていたDeNAとの3連戦に負け越し、2位広島とは2・5ゲーム差に開いた。後がない状況で、26日は広島との直接対決を迎える。和田豊監督(52)は「全部勝つつもりでやっていきます」と悲壮な決意を口にした。
猛虎が土俵際に追い込まれた。DeNAに喫した今季初のカード負け越し。5試合を残して2位・広島との差は、2・5に開いた。遠ざかった背中。CS本拠地開催にともる黄信号が、赤に変わろうとしている。
4点を安全圏にできなかった。降雨で29分遅れた試合開始。それでも集中力を切らさなかった打線はモスコーソの立ち上がりを襲い、マートン、福留の連続適時打で絶対的優位を映す4点を奪った。しかし…。
序盤からメッセンジャーが制球を乱した。球は上ずり、苦し紛れの直球を捉えられた。初回、1死満塁のピンチは抑えたが、二回に3安打で1点を失うと、五回には1死満塁から、死球、四球の押し出しで2失点。
「良くなかったね。コントロールがバラバラだった。どう上がってくるかという状態だったけど、上がってこなかったね」。5連戦の3試合目。リーグトップの13勝を誇る右腕。和田監督は復調に期待し、中継ぎ陣の早期投入を踏みとどまった。
だが、五回までに中西投手コーチは3度マウンドに向かっていた。明らかに本調子とは遠いことを示していた。5回9安打、5四死球の3失点。この試合を含めて残り6試合。昨夜、六回途中に87球で降板させた能見と同様、思い切った決断を下してもいい局面だった。
薄氷の1点差を継いだ中継ぎ陣も踏ん張れなかった。六回、2死一塁から登板した3番手・松田が四球と暴投で一、三塁にピンチを広げ、同点の左前適時打。八回には福原が決勝被弾。全8イニングで出塁を許す悪循環を断ち切れず、攻撃陣も初回以降、決め手を欠いた。
広島との直接対決を2試合残しているとはいえ、残り5試合で2・5差をひっくり返すのは厳しいノルマだ。「全部勝つつもりでやっていきます。明日がより大事になってくるね」。和田監督の声がかれていた。聖地での決戦を落とせば命は絶たれる。とにかく勝つしか道はない。