マートン 前日無安打即座に修正
「DeNA5‐4阪神」(25日、横浜)
試合後、最後にロッカーから出てきた阪神・マートンは、うつむいたまま、重い足取りでバスへと向かった。「きょうは負けたから…」。先制の2点適時二塁打を放ち、首位打者もキープした。だが、そんな個人の結果や事実よりも、敗戦を受け入れられていなかった。
勝利だけを求めてプレーした。試合開始直前。突然、降り出した強い雨で、午後6時に予定されていた試合開始は29分も遅れた。
だが、勝利に飢える助っ人の集中力は途切れていなかった。初回1死満塁。1ボールからの2球目だった。モスコーソの外角低め、144キロの直球をコンパクトなスイングで逆方向へ打ち返した。
右翼線へ飛んだライナーが、ワンバウンドでフェンスに当たる間に2人が生還。「積極的にファーストストライクから自分のスイングをすることを心掛けていた」。15日・ヤクルト戦の本塁打以来となる、安打での打点を振り返った。
24日のDeNA戦は5打数無安打。この日の練習はフリー打撃を終えた後、グラウンドに残り、オマリー打撃コーチ補佐と2人で約30分、打撃修正に取り組んだ。
ボールを置いて打つティー打撃用の台を、体の正面付近に設置。ひたすら白球を打ち込んだ。同コーチ補佐は「きのうは打つポイントが前だった。近くにしようと話した」。今季は連続試合無安打のワーストが3試合。周囲の意見に耳を傾け、客観的に自分を見つめてきたことが、首位打者という結果につながっている。
今季は残り5試合で、26日は2・5ゲーム差で追う2位・広島と甲子園で戦う。本拠地でCSファーストSを開催するには、もうどの試合も落とせない状況だ。落ち込んでいる時間などない。マートンの意地がみたい。