藤浪1年目超え11勝も初回失点の課題
「阪神4‐3広島」(26日、甲子園)
2年目の阪神・藤浪晋太郎投手(20)が自己最多の11勝目をマークした。先に点を与えてしまう苦しい投球内容だったが、打線の援護を受け、6回3失点で白星をモノにした。その右腕はCSでも期待される。
1つの勝ち星を上積みした。藤浪がレギュラーシーズン最終登板で11勝目。昨年、ルーキーイヤーに挙げた10勝を超えた。自身を上回る2年目の数字に、成長の跡を刻んだ。
「もがき苦しみながら、勝ちをつけてもらいながら何とか投げきった1年でした」
自ら振り返った2年目のシーズン。複雑な心境は、この日の内容とダブるものがあったからだろうか。
初回にまたしても失点した。1死から菊池、丸の連打であっさり先制点を奪われた。四回は中軸の3連打で2点目を献上。なおも無死一、三塁で、ロサリオへの4球目がワンバウンドに。本塁カバーに行き、三走・エルドレッドにタッチをした際、スライディングで両足を払われて倒れた。ヒヤリとしたが、体を張って生還を阻止。執念を見せたものの、六回には痛恨の3失点目を喫した。
直後、打線が逆転に成功。11勝目の権利が転がりこんだ。もちろん、七回のマウンドに上がる準備はしていた。だが、攻勢は続き、自身の打順に代打・新井を送られたため、続投はかなわなかった。
先発投手として6回3失点。役割を果たしながらも、リードされた状態での交代に「もちろん(七回は)行きたかったし、あそこで行けと信頼してもらえる投手にならないといけない。悔しいですね」と唇をかんだ。
「つけてもらった勝ちなので」と11勝目の喜びはなかった。それでも、3本柱を任された今季は登板数もイニング数も上回った。制限があった昨年より、厳しい条件下の成績は成長の証しといえる。
あとは昨年、CSで辛酸をなめさせられた広島に借りを返すだけだ。今季の対戦成績は、9試合で6勝1敗と抜群の相性を誇る。「CSで最高の投球をしたい」と力強く話した。広島にリベンジして、日本一へ。ポストシーズンの活躍で、2年目の進化を完成させる。