大和50犠打、サヨナラお膳立て
「阪神1‐0DeNA」(29日、甲子園)
劇的勝利に酔いしれる輪の中で、仕事人の笑顔がはじけた。延長十回、阪神・大和の今季50個目の犠打が、その後のサヨナラ勝ちにつながった。「あの場面で1球で決められて良かったです」
試合後、淡々と振り返った場面は0‐0の延長十回。代打・西岡が四球を選び、打者・上本のときに暴投で二進。上本が敬遠気味に歩かされて無死一、二塁に。ここで投手が左腕・林にスイッチ。相手の継投にも動じず、大和は初球をバントし、三塁側へ転がした。
きっちり走者2人を送った自己犠牲。今季主に2番を務める男が、積み重ねた数字は「50」の大台に乗った。阪神でのシーズン50犠打は88年・和田監督、10年・平野に次ぐ3人目の快挙だ。
自身の記録を問われると「数字より、あそこで(犠打を)決められたことが良かった」と改めて話した。CSになれば、バントの重要性はシーズン以上に重みを増す。短期決戦を控えるチームにとって、背番号0の仕事ぶりはこれ以上なく心強い。