岩田2年ぶり規定投球回、防御率セ2位
「阪神1‐0DeNA」(29日、甲子園)
あと1つが、最後まで届かなかった。「勝ちたかったですけどね。ただ、それは巡り合わせなので」。08年以来、6年ぶりの2桁勝利を目指した阪神・岩田。8回無失点も、打線の援護に恵まれなかった。
だが、甲子園CSへ1試合も落とせない状況で、延長を制した流れをつくった立役者は間違いなく岩田だ。二回には無死一、二塁の危機を招くが、梶谷、柳田を連続三振に斬るなど得点を許さず。中盤以降は安定感のある投球が際立った。
8月20日に9勝目を挙げて以降、6試合で勝ち星なし。それでも「チームが勝てたのはよかった。今日は特に大事な試合。その中で、こういう投球ができたのでね」と、チームの勝利を喜んだ。
昨季は2勝に終わり、背水と位置づけた今シーズンも開幕ローテを外れた。だが、4月20日に今季初登板で勝利を挙げて以降は、調子の上がらない先発陣をけん引。この試合で、2年ぶりとなる規定投球回数に到達した。
和田監督も「できれば勝たせてあげたかった。(今季は)粘り強く投げ続けてくれた」と左腕をねぎらった。次はCSでの登板機会を待つ。岩田は「先のことを見ても仕方ないですから」と淡々と話したが、左腕の復活は、先の戦いへ大きな希望となった。