和田虎、絶体絶命…最終戦勝つしかねえ

 「阪神0-1DeNA」(30日、甲子園)

 本拠地CS開催へ、和田阪神が崖っぷちに立たされた。打線が散発3安打で今季12度目の完封負け。本拠地最終戦を勝利で飾れず、9月の負け越しも決まった。2位・広島が勝ったため、自力2位の可能性が消滅。能見篤史投手(35)を先発に立てる1日のシーズン最終戦・広島戦(マツダ)に勝たなければ、シーズン3位が確定してしまう。虎よ、最後に意地をみせろ。

 秋風が痛みを伴って体に染み入る。CS本拠地開催に向け、負けが許されない本拠地最終戦で、タテジマが沈んだ。スコアボードに刻まれた9個のゼロ。今季12度目の完封負け。猛虎のキバが獲物を仕留めることはなかった。

 いつもの熱がそこにはあった。観衆28867人。空席が目立つスタンドも、右翼席だけは黄色一色に染まり、勝利をサポートする熱い声が飛び交った。だが…。悲痛に似た思いは結実しなかった。

 山口‐黒羽根の変化に快音を封じられた。打順が2回り目に入って使いだしたフォークにバットが空を切った。六回にはベンチ前で円陣を組み、山口攻略の指示が与えられたが、最後までボールゾーンに落ちる決め球を見極められなかった。

 「1点取ってからのフォークがね。腕が振れ出したし、バッターも低めにバットが止まらなかったね」。ベンチで戦況を見つめる和田監督が、何度も苦渋の表情を浮かべた。

 負けられない戦いが続く中、打線の破壊力が影を潜めている。圧倒的な力で敵をねじ伏せる横綱相撲が取れない。勝負の分岐点を制する決定力にも物足りなさを感じる。

 「選手たちも勝ちたい、点を取りたいという気持ちでゲームに臨んでる。負けられない試合で多少焦りもあるだろう。ただ、今日はストライクゾーンというより、ボール球に手を出しすぎた」。指揮官は焦りが招く力みを理解しつつも、指示を共有し、徹底的に遂行できなかった現実を嘆いた。

 1差で追う広島との今季最終戦。自力2位の可能性は消えたが、勝たなければ道は開けない。「それが最低条件になってくる。振り返っても仕方ないんでね。なんとしても取ります!」。和田監督はペナントレースを締めくくる最終マッチに思考回路を切り替えた。

 死力を尽くせ。もう失うものなど何もないはず。失敗を恐れず、全力で立ち向かえ。奇跡は起こすためにある。聖地が主の帰りを待っている。

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