呉昇桓5連投39S!甲子園CS残った
「広島2-4阪神」(1日、マツダ)
阪神は今季最終戦で、CSの相手でもある広島に快勝し、2位の可能性を残した。八回途中から登板した呉昇桓投手(32)は、1回2/3を無安打無失点の好投で39セーブ目。これで5連投となったが、1本の安打も許さない、まさに守護神の活躍を見せた。広島が5日の巨人戦で敗れれば、阪神の2位が決まる。
残されたわずかな希望へ‐。猛虎の絶対守護神が、その右腕に魂を込めた。「勝てたことがよかった。(5連投は)チームの状況によるところなのでね」。必勝を期した試合を締めた呉昇桓は、いつもと変わらぬ涼しい表情で、そう答えた。
甲子園でのCS開催へ、望みをつなぐには勝利しかない。2点リードの八回1死一、二塁で、打席には強打者・ロサリオ。その場面で、守護神が5連投のマウンドへ上がった。
「試合前から、八回にピンチになったら行くぞと言われていた。常に準備をしていた。今日は、特に重要な試合だったのでね」
四回に左中間席へ本塁打を放っているロサリオに、赤一色のスタンドは異様な盛り上がりを見せる。だが守護神は冷静だ。「(相手の)注意すべきところを見るのではなく、自分の1球1球に集中していた」。最後はカットボールで三ゴロに取ると、続く堂林を空振り三振に斬り、難なく危機を切り抜けた。
和田監督も「よく投げてくれた。5連投だもんな。投げた試合、全部で抑えてくれた」と賛辞を惜しまない。九回も三者凡退に抑え、26日の広島戦(甲子園)からの5連投中、相手に1本の安打も許さなかった。
昨季は抑え転向の久保(現DeNA)の不振もあり、その位置を固定できなかった。勝利のために重要な「守護神」というピース。呉昇桓の存在が、猛虎の戦いを変えた。
指揮官も「今年は、どうやって九回のスンファンにつなぐかだけを考えればよかった」と、その存在の大きさを語る。最終戦で中日・宣銅烈を上回る韓国人投手最多記録の39セーブ目をマーク。ただ「失敗が6回もあるのが悔しい。来年は頑張らないといけない」。その悔しさを晴らす、完璧な投球を大事な最終盤で見せた。
順位確定は5日の広島の試合の結果待ちだが、CSへ向けて戦いは始まっている。「タイガースが必ず結果を出せるように、頑張りたい」と誓った呉昇桓。ここから、猛虎の真価を問う本当の戦いが始まる。