あるぞ梅ちゃんCS開幕先発マスク

 阪神は5日、甲子園で指名練習を行った。ランディ・メッセンジャー投手(33)のCSファーストS開幕投手が濃厚となったことで、ルーキーの梅野隆太郎捕手(23)とバッテリーを組むことが有力。新人捕手がポストシーズンでスタメンマスクをかぶれば球団史上初の快挙で、本人はミス撲滅を誓った。

 今季、一番多くスタメンマスクをかぶってきたルーキーに、またも偉業をかなえるチャンスが訪れた。阪神の新人捕手がポストシーズンでスタメンマスクをかぶれば史上初。他球団を見ても数少ない快挙に、梅野が挑むことになる。

 7日にみやざきフェニックス・リーグで調整登板する投手が藤浪、能見になることで、メッセンジャーの開幕投手が濃厚となった。今季、メッセンジャーと数多くのバッテリーを組んできたのが梅野。相性を考えても、CSファーストSの開幕戦でスタメンマスクをかぶる可能性が高い。

 この日、指名練習で汗を流した梅野は初体験となる短期決戦に「がらっと雰囲気は変わると思います。トーナメントとはまた違うと思いますし」と語った。これまでテレビでも日本シリーズやCSを見る機会はなく「ニュースで見る程度。プロ野球は目指していた場所であって、一回から九回まで見るようなものではなかったので」と言う。

 それでも開幕から一度も2軍に落ちることなく、最前線でマスクをかぶり続けた。1球が勝負の流れを変える短期決戦で、ミスを犯してはならないのは本人も理解している。

 「捕手で言ったら、大事な試合でワンバウンド(の後逸)とか一つのミスが大事な1点につながってしまう。そういうミスをなくせるように、できることはやっていかないといけない」。相手に与えるムダな進塁が、致命的な失点につながることもある。

 ましてや短期決戦はエース級との勝負になる。何気ないミスが致命傷となって、阪神は一度もファーストSを勝ち抜いた実績がない。その暗い歴史に新たな風を吹き込ませるには新戦力の力が必要。ルーキー捕手の奮闘があれば、勢いに乗る起爆剤にもなる。

 「これまでも毎日が初めての経験だったので。そういう試合でも冷静に。緊張すると思うけど気持ちだけはしっかり持って」と力を込めた梅野。日本一への挑戦権を得るためには“何か”を持ったラッキーボーイが必要だ。

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