阪神・藤浪晋太郎投手（２０）が５日、甲子園で行われた指名練習に参加。ＣＳでは中西投手コーチが示唆した中４日登板に挑む覚悟を示した。中４日となれば、プロ初だが力強い言葉で不安を一蹴。シーズンＶ逸の悔しさを本番でぶつける。

　ついにリミッターを解き放つ。明日なき戦いで、フル回転する。すでに中西投手コーチが示唆している先発陣の中４日登板。それを伝え聞いた藤浪が強い覚悟を口にした。

　「不安ですか？ないですね。そこまでいけば先があるわけなじゃないので、（中４日）どうこうないです」

　頼もしい言葉が、スラスラと口をついた。ＣＳファーストＳでは第３戦（１３日）の先発が有力。ファイナルＳまで勝ち進んだ場合、中４日の間隔で第４戦の１８日・巨人戦（東京ドーム）へ向かう可能性がある。プロ入りしてからこれまで中４日は未経験だが、Ｖ逸の悔しさが、若き右腕を突き動かす。

　「（８月）巨人にいいところで２敗したので。（今年も）悔しい気持ちは変わらない。広島にしろ、巨人にしろ、投げろと言われたところで投げるだけです」

　心にも余裕がある。台風１８号の影響で、フェニックス・リーグを戦う宮崎入りが、延期となった。本番までの調整スケジュールに狂いが生じたが泰然自若。昨年、ＣＳ初戦で敗れた苦い経験も財産だ。「（ＣＳの）要領は知っているので。独特の雰囲気も経験したので慣れていることは慣れていますね。短期決戦ですし、シーズン中もそうですが、必死にやりたいです」。甲子園の練習ではキャッチボール、ノック、ダッシュなどでいつも通り、入念に汗を流した。

　広島‐巨人が中止となり、この日も順位は決まらず。ＣＳファーストＳの開催球場決定も持ち越しとなった。「自分はどっちも嫌いな球場じゃないですし、気にしていないです」。シーズンを終えて、他力の２位浮上に関心はない。気持ちはすでに、ＣＳへ向いている。

　７日のフェニックス・リーグでは３イニングほど投げる予定。プロ初中４日フル回転へ、南国で最高の状態に仕上げる。