呉昇桓、気迫の3回0封!虎さあG倒や
「セCS第1S第2戦、阪神0-0広島」(12日、甲子園)
ついに、ついにやった!阪神が5度目の挑戦で球団初のCSファーストステージ突破だ。先発のエース能見篤史投手(35)が8回無失点で意地を見せれば、九回から後を継いだ呉昇桓投手(32)は来日最長の3イニングを無失点に抑える鉄腕リリーフ。最後は福原忍投手(37)が締め、こちらも史上初の延長十二回表引き分け終了。この勢いで次は初のCSファイナルで実現した伝統の一戦で巨人を撃破する。
絶対守護神が甲子園のマウンドに仁王立ちした。0‐0の九回から登板した呉昇桓は、延長十一回も当然のように来日初の3イニング目へ上がった。先頭菊池に右前打を許したが、落ち着き払ってアウトを重ねる。2番丸を147キロ直球で一邪飛で仕留めると、続くロサリオの打席で菊池が二盗失敗。最後は威力十分の150キロ石直球で、捕邪飛に打ち取った。
「今日はチームが引き分けましたけど、ファイナルステージにいけて良かったです」
3回2安打無失点。36球を投げベンチに戻ると、和田監督が歩み寄ってきた。ハイタッチで差し出された手をガッチリと握り合う。指揮官からは、「3回は初めていったけど、素晴らしいピッチングでした。申し分ありません」。これ以上ない賛辞を贈られた。
昨年の韓国シリーズで、九回途中から延長十三回まで投げ通した経験がある。最後は力尽きたが決着がつくまでマウンドに立った。負けられない一戦だ。連投もイニングまたぎも問題ない。心の準備はできていた。
「(3イニングは)監督とコーチが決めること。ゲーム展開、球数によって状況は変わる。疲れもなかったし投げることに関しては問題なかったです」
韓国のスーパースターの活躍は連日、祖国へ伝えられる。初戦の3者連続三振の模様はインターネットで中継され、大きな反響を呼んだという。試合前には「たくさんの人から連絡をもらったよ」と照れ笑い。シーズン中も多くの友人や、韓国の俳優がお忍びで激励に訪れた。初めて異国で戦う呉昇桓にとって祖国の応援は心強く、励みとなった。
レギュラーシーズンを5連投で終え、CSファーストSもまた、連投とイニングまたぎで締めくくった。15日から始めるCSファイナルSに向け、その存在は頼もしい限りだ。「今まで通りにやっていくだけだ」。浮かれる様子はなくいつも通り平常心を強調した。王者巨人との決戦でも、呉昇桓がマウンドに立ち続ける。