鳥谷誓うCS無失策継続で流れ手放さん

 阪神は14日、甲子園で全体練習を行った後、球団史上初進出となったCSファイナルSへ向けて東京へ乗り込んだ。主将の鳥谷敬内野手(33)は、打倒・巨人へノーミス継続を宣言。広島とのCSファーストSで21イニング連続無失点を演出した無失策の堅守で、日本シリーズ進出権を奪い取る。

 王者との短期決戦に悲壮感は全くない。チームに漂っていたのは程よい緊張感、そしてファーストSを21イニング連続無失点、チーム失策ゼロで突破したという自信だ。ファイナルSでもやるべきことは決まっている。鳥谷は「いい流れで来ているので、ノーミスで行けるように」と力を込めた。

 広島相手の2試合では1点も奪われなかった。もちろん投手陣の奮闘が大きかったが、野手も好守でもり立てた。大和の好返球、マートンのジャンピングキャッチといった見栄えのするプレーだけではない。1点を争う展開で重圧もかかる中、無失策で乗り切ったことに意義がある。

 「相手に流れが行くとかそういうところまでは分からないけど、ミスは失点につながってしまうんでね」と表情を引き締める鳥谷。取れるアウトをしっかり取れば、投球にも、攻撃にもリズムが出てくる。ミスなくプレーすることができれば、間違いなく相手にプレッシャーがかかる。

 それが強者の野球だ。今季の巨人がそれを象徴するように、リーグ最多の守備機会を数えながら、リーグ最少の71失策でシーズンを戦い切った。故障で選手が離脱しても、投手陣の整備が進まなくても3連覇を果たせた要因だ。その事実を肌で感じているからこそ、巨人に勝つためにはミスなしを続けなければならない。

 狭い東京ドームで、今度は、ある程度の点の取り合いも予想される。それでもミスで許した走者、残した走者がいなければ大量失点は防げる。ムダな走者を許さなければ、必ず勝機は見えてくる。また、ファーストSでは打線が投手陣を援護することができなかった。それだけに「先取点を奪って相手にプレッシャーをかけたい」と視線を鋭くした。

 全体練習では二塁の守備位置で打球を追い、終始、リラックスした表情を浮かべた鳥谷。フリー打撃ではグリップテープを巻いたバットを使って調整に取り組んだ。守りの要、、攻撃の核として、主将の働きが短期決戦の行方を左右する。

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