攻めた和田采配!あんたが“タイ将”
「セCSファイナルS第1戦、巨人1-4阪神」(15日、東京ド)
敵地に吹いた追い風。阪神が球団史に新たな1ページを書き加えた。初出場となったCSファイナルS初戦で初勝利。アドバンテージ分の星を五分に戻した以上に大きな意義深い1勝を奪い取った。
「甲子園では2試合で1点しか取れなかったけど、初回に3点取れて楽になった」と和田監督。鳥谷の先制打とゴメスの2ランを生んだ背景には、指揮官の積極果敢な攻撃的タクトが隠れていた。
西岡が左前打を放った初回、無死一塁。上本の初球にバスターエンドランを敢行。「1点勝負じゃないと思って、思い切って動いた」。結果は一ゴロ。安打で一、三塁に好機が拡大することはなかったが、タクトで示した攻めの姿勢が選手を奮い立たせた。
決戦直前、和田監督は逆転日本一への号砲を鳴らした。「アドバンテージを考えるな。一戦一戦全力を尽くせ」。ビハインドを背負って戦うのではなく、ただ目の前の戦いに全神経を注げと、意識の力点を熱く説いた。
藤浪が七回に1点を失い、ポストシーズン新記録となる連続無失点イニングは27で止まったが、器の小さい東京ドームでも猛虎投手陣の力は際立った。「これでいい形であしたに入っていける」。背中を押す風を感じる。進軍は止まらない。