阪神が成瀬獲得調査!金子は撤退へ
阪神が今年5月に国内フリーエージェント(FA)権を取得したロッテ・成瀬善久投手(29)の獲得調査に乗り出していることが20日、分かった。阪神はかねて、オリックス・金子千尋投手(30)の獲得を最優先としてきたが、FA宣言せず残留の線が色濃くなったという情報もあり、獲得可能枠を有効利用するため、幕張の左腕に食指を伸ばす。
29年ぶりの日本一を狙う日本シリーズを前に、阪神のFA狂騒曲に変化が生じていた。昨年来、獲得の最上位候補に挙げていた、オリックスの金子争奪戦からの撤退を視野に入れつつ、新たな恋人の調査を開始していた。
最速147キロ直球とチェンジアップ、スライダー、カーブの切れ味鋭い変化球を軸に、プロ11年間で90勝の白星を積み上げたロッテ・成瀬。今年5月に国内FA権を取得した幕張のサウスポーがFA権を行使した場合に備え、球団フロントが臨戦態勢を整え始めた。
球団側はかねて、オリックス・金子の獲得に全力を傾注する方針を固めていた。だが、ここにきてオリックス残留の線が色濃くなったことに加え、仮にFA権を行使した場合でも阪神は意中の球団ではなく、勝算は薄いといった情報が集まってきた。年俸Cランクの選手を含まないFAでの獲得可能な2枠を有効活用するため、成瀬への恋心が急速に燃え上がってきた背景がある。
同一リーグのライバルであるヤクルトを筆頭に、複数球団が獲得への名乗りを上げると予想される成瀬争奪戦。球団側は金子獲得に動いた場合に備え、すでに電鉄本社から20億円規模の後方支援の確約を得ており、誠意を示す一因となる資金面での不安要素は見当たらない。
「今年の補強ポイント、補強テーマはやっぱり投手。投手はいくらいても困らないし。どんな状況になろうとも、臨機応変に対応できる準備はしておきます」と球団関係者。能見、メッセンジャー、藤浪、岩田と並ぶ先発ローテの柱としての期待は高く、今後は成瀬争奪戦に勝利を収める算段を整える。
球団創設80周年の節目を迎える来季。監督就任4年目を迎える和田監督が10年ぶりのリーグ制覇を成し遂げるための環境整備は必要不可欠。ロッテ・成瀬。日本ハム・宮西。獲得を狙うダブル左腕がタテジマをまとうことになれば、夢を成就させる可能性は飛躍的にアップする。