福留今年こそシリーズ男 中日時代は…
阪神は22日、甲子園球場で25日に開幕する日本シリーズへ向けた全体練習を行った。シーズン終盤から好調で打線をけん引する福留孝介外野手(37)は、中日時代に結果を残せなかった日本シーリズで活躍し、初の日本一を達成するべく、大一番へ向けて順調な調整を続けた。
もう“逆シリーズ男”とは呼ばせない。静けさが漂う甲子園球場に、福留が放つ鋭い打球音が響き渡った。「好調を維持している?いや、打席に立ってみないと分からないですよ」と話す表情にも、どこか余裕を感じる。
まさに「孝介の秋」ともいうべき活躍だ。9、10月は打率・357、4本塁打、13打点と打ちまくり、チームの2位確保に貢献。CSでもファーストS初戦で、難敵の広島・前田から決勝ソロを放つなど、日本シリーズ進出の「陰のMVP」といっても過言ではない働きを見せてきた。
ただ、中日時代は日本シリーズで辛酸をなめてきた。99年と06年に2度出場し、通算38打数6安打、打率・158と満足のいく活躍を見せられず。04年とチームが53年ぶり日本一となった07年は、ともに故障の影響で出場すらかなわなかった。
頂点へ上り詰めた歓喜の輪。今度こそ、その作り手の1人になりたい。逆風を、そのバットで吹き払ってきた男だ。過去の呪縛を解くことも、今の福留ならと期待が膨らむ。
「昔は昔、今年は今年なのでね。そういう状況がある中で、自分ができることをやればいいんじゃないかなと思います」と福留。言葉からも、自信の程が伝わってくる。
悲願達成へ、今は大事な準備期間。「状態を維持することと、ずっと試合に出ていたので、疲れを取りながらですね」と決戦へ備える。今季、幾度もチームを救ってきた勝利を告げる快音を、大舞台でも響かせる。その時が近づいてきた。