狩野完全止めた!チーム初安打&激走

 「日本シリーズ第2戦、阪神1-2ソフトバンク」(26日、甲子園)

 あきらめてたまるか。阪神・狩野の一振りが、甲子園の沈黙を打ち破る。ためていたファンの大歓声が、虎打線に活力を与えた。

 「あまり考えず打席に入ったけど、あのままやられるのだけは絶対に嫌だった」

 初戦に6得点をもぎ取った猛虎打線が、一夜で一変。武田に六回2死までパーフェクトに封じ込まれる。ここで、ベンチは代打に狩野を送り込んだ。

 初球、外角へのカーブを豪快に空振り。「ベンチで見ていて頭にあった」と、それまで打線が手こずった球を積極的に狙いにいった。粘りを見せた6球目だ。初球より、さらに外角へ落ちるカーブに食らいつき、左中間へ運んだ。

 完全投球を阻止する左前打。阪神打線が初めて灯した「H」ランプに、4万超の虎党が沸き立つ。続く西岡の右翼線二塁打で、一気に生還。ホームで二塁上の西岡をたたえるように、右手を突き上げると、地鳴りのような大歓声が起こった。

 前日、新井の負傷を受けて、急きょ、参戦していたフェニックス・リーグの宮崎からドタバタ合流。2戦目にして、自身の日本シリーズ初安打をマークした。チームは敗れたが、狩野がつけた勢いは大きな価値がある。「途中から出る選手も打つぞという気持ちを見せたかった」。背番号99が、不屈の魂とともに福岡へ乗り込む。

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