和田監督負けても手応え「十分戦える」
「日本シリーズ第2戦、阪神1-2ソフトバンク」(26日、甲子園)
雷鳴を伴って聖地をぬらした涙雨。終盤の猛攻及ばず、29年ぶりの日本一を狙うタテジマが連勝スタートを逃した。通算8試合目で猛虎が喫したポストシーズン初黒星。阪神は1点差に泣き、破竹の快進撃はストップした。
3年目右腕・武田との初対決。スコアラーが集めたデータ、映像を元に対策を立て、攻略の糸口を探ったが、実際に打席に立ち、肉眼で立体的に球筋を追っていないハンディが響いた。
六回、2死まで被完全投球。代打・狩野の左前打に続き、西岡が右線適時二塁打。反撃の1点がスコアボードに記された。形勢は明らかに変わったが、さらなる追撃の一手を指すことができなかった。
「セ・リーグにはいない特殊なカーブを放るピッチャー。予備知識はあってもね…。最初のひと回りでつかみたかったんだけど、ふた回りかかってしまった」。初モノ退治が未遂に終わり、和田監督は渋い表情を浮かべた。
ただ、悲観する必要は全くない。1点差を詰めることはできなかったが、パ・リーグ王者と五分に渡り合った。敗戦の中にも、3戦目以降につながる光明を肌が感じた。
「今日の負けを引きずることはない。選手は昨日、今日で自信をつかんだんじゃないか。十分戦えるというね。われわれはチャレンジャー精神をさらに強くして、敵地でも戦いたい」。虎将は脳裏で敗戦の過程をたどりながら、思考回路を切り替えた。
1勝1敗のタイ。敵地での3連戦に地の利は存在しない。だが、失う物のない挑戦者の気持ちで宿敵を打ち破った実績がある。本当の勝負はここからだ。アウェー感たっぷりの敵地に、猛虎の意地と底力を刻み込む。