藤浪、メジャー最強左打者カノ斬りや!
侍ジャパンは8日、福岡市内のホテルに集合し、全体ミーティングを行った。阪神・藤浪晋太郎投手(20)は日米野球第4戦(16日・東京ドーム)で先発予定であることがわかった。MLBオールスターチームのロビンソン・カノ内野手(32)=マリナーズ=との対戦を心待ちにした藤浪は、世界最高峰の左打者を相手に腕試しするつもりだ。
藤浪にとって、これ以上ない腕試しのチャンスが訪れる。初参加の侍ジャパン全体ミーティングでは最前列で小久保監督の話に聞き入った。徐々に気持ちが高ぶる。「有名なバッターがたくさん来られるので、見てみたい気持ちはあります」。中でも対戦したい選手を聞かれて侍戦士たちが声をそろえたのが、マリナーズのカノだ。
昨オフ、ヤンキースから10年総額2億4000万ドルでマリナーズに移籍。前回13年WBCでMVPに輝いた現役トップクラスの左打者だ。これまで、メジャーリーグでプレーする日本人投手を散々苦しめてきた。
今年6月11日(日本時間12日)のヤンキース戦では田中のメジャー初完封を阻止する2ラン。九回、外角球を逆方向の左中間スタンドへ放り込み度肝を抜いた。さらにヤンキース・黒田、レンジャーズ・ダルビッシュ、レッドソックス・上原ら、日本人投手をことごとく打ち砕いてきた実績がある。それを聞いた藤浪は、対戦を心待ちにした。
「しっかり振ってくると思うし、ミートする技術もあると思う。対戦する機会があれば、しっかり投げたいと思います」。プロ入りしてから、右打者に比べて左打者との相性が悪く、今季も被打率・306と苦戦した。ここでカノを抑えることができれば、来季へ向け、1つのきっかけにもなるはずだ。
日米野球は小学生のころ、京セラドームで観戦したという。「(当時阪神の)井川さんが投げていたと思います」と今も記憶に残っている。今度は自分が夢を与える番だ。「せっかくの機会なので野球ファンの方に楽しんでもらいたいです」と声を弾ませた。
先発は16日の第4戦に決まり、「言ってもらった方がやりやすいですし、そこに向けてベストパフォーマンスできるようにしっかり調整したいです」と力を込めた。プロに入って初めての日の丸。その先には17年・WBCが控える。「光栄なことなので、何か得て、帰りたい。せっかく選んでいただいたので、1試合、1試合、一生懸命プレーしたい」。WBC出場は幼少時代から抱く夢。3年後の本大会出場へ、藤浪が世界を驚かせる。