中島は国内!阪神 大型契約でアタック
虎に追い風だ。米大リーグ・アスレチックスからFAになった中島裕之内野手(32)の来季日本球界復帰が、11日までに決定的になった。阪神サイドは一両日中にも中島サイドに条件提示する方針。この日、海外FA権行使の手続きを取った鳥谷敬内野手(33)の引き留めに全力を尽くしつつ、恋人のハートを射抜く。
待ち焦がれた朗報が舞い込んだ。鳥谷から海外FA権を行使する申請書類が球団に届いたこの日、獲得を目指す中島の来季移籍先が日本で決定的になったという情報がもたらされた。最大の強敵だったメジャーが土俵から消え、強烈な追い風が阪神の背中を押し始めた。
先般、代理人がスゴ腕として名高いスコット・ボラス氏に変更されたことで、メジャー残留の色合いが強くなったと目されていた中島の来季去就。だが、現時点でメジャー契約のオファーはなく、来月上旬に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されるウインターミーティングでも、状況が一変する可能性は薄いという。
中島に近い関係者が言う。「五分五分ではないですね。現在もこれからもメジャー球団からの有力なオファーは見込めないので、こちらは日本球界復帰に向けて動きをまとめています」。視線は母国に向いた。3年ぶりの日本球界復帰。虎が動く。
「近日中に中島君サイドの代理人に連絡を入れて条件提示する予定です。初回提示でこちらの最大限の誠意を示します」と球団幹部。最大4年とされる大型契約を熱意の印とし、ライバルとなる西武、中日を振り切る構えだ。
前述の中島関係者は移籍先に「現時点ではフラットですが、できれば野球だけに集中できる静かな環境が望ましい」との希望を抱いており、多数の報道関係者が取材に訪れる阪神は不利との見方もできるが、日本一熱狂的な応援と他球団を上回る厚遇を武器に中島の心の針を揺り動かす。
2年前から思いを寄せ続けた恋人。鳥谷が海外FA権を行使し、メジャーに移籍する可能性が高まったことで、中島獲得の必要性はさらに高まった。
球団創設80周年の節目を迎える来季。宿敵・巨人のリーグ4連覇を阻止し、10年ぶりの覇権奪回を狙うためには、西武時代に738打点を積み上げた中島の勝負強さが不可欠。球団の総意をストレートにぶつける。