能見“エース”の称号返上
国内FA権を行使しての残留を決めていた阪神・能見篤史投手(35)が13日、西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、1000万減の1億4000万円、3年総額4億5000万円で更改した。今季9勝13敗に終わった左腕は来季のリーグ優勝を誓うと同時に、エースの称号返上と、藤浪ら若手の台頭を切望した。
生涯タテジマを心に決めたエース左腕。「この年で3年契約していただけることにすごく意味があると思います」。今季は自己ワーストの13敗を喫しながら「必要な選手だと言っていただけたことがすごくうれしかった」と、能見は球団の評価に胸が熱くなった。
視線はすでに来季を見つめている。9年ぶりに日本シリーズには進出したが、満足感はない。「ペナントレースで7ゲーム差をつけられたんでね。ペナントレースで優勝してこそ意味がある」と打倒・巨人をあらためて心に誓った。
肉体のメンテナンスを見直した。「年齢を重ねて体が動かないとかが多少あったけど、それをどう克服していくかにも目星はついているので」。詳細を語ろうとはしなかったが、同じ失敗を繰り返さない策を講じている。
エースの称号を返上した。「その言葉から解放してくださいよ。僕がそんなん言われてるようじゃダメ」。決して逃げたわけじゃない。先発投手陣の過渡期と位置づけ、藤浪を筆頭とした若手のさらなる台頭を促した。
3年契約に甘える性分じゃない。結果で心意気を示す。投手陣の精神的支柱。背中で雄弁に語る。来季こそ、チャンピオンフラッグを聖地に掲げる。