掛布DC 大和ショートでGG賞だ
「阪神秋季キャンプ」(14日、安芸)
阪神・掛布雅之DC(59)が14日、大和外野手(27)に今季、獲得したゴールデングラブ賞を、来季、遊撃転向しても続けて獲得を目指すように勧めた。外野と遊撃で獲得となれば、史上初の快挙になるが「それくらいの力はある」と太鼓判。自身は16日の「巨人VS阪神OB戦」のため、秋季キャンプをひと足先に打ち上げた。
掛布DCの目に留まったのは、若虎の打撃向上だけではない。大和の本格的な遊撃の挑戦。シートノックでの華麗なグラブさばき、正確な送球を間近で見て「すごいことだよ。でもそれくらいの力はある。(本人に)『狙え』と言ってるんだよ」と来季は遊撃手としてゴールデングラブ賞を獲得するように、強く厳命した。
自身も三塁で6度、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を受賞している名手。ただ、大和の場合は違う。外野手として初受賞したが、鳥谷のFAに伴い現在は遊撃を練習中。2年連続で内外野それぞれの受賞となれば、75、76年に高田繁が外野手と三塁手で獲得しているが、遊撃手となれば史上初の快挙となる。
この日も遊撃の位置から華麗な守備で存在感を示した。掛布DCは「鳥谷とはスタイルが違うけど、身体能力が高いしすごいショートになると思うよ」と最大級の評価。「鳥谷のことがあるからわからないけど、それくらいの気持ちでやらないといけないよね」と守備の勲章獲得を目指すことを勧めた。
大和も「取れるものなら取りたいです。もっと確認したいことがある」と力を込めた。
一方、掛布DCは打撃面でのアドバイスも忘れない。「ボールと目の距離を保つように言いました。近すぎるとバットが体の前を走らないからね」。最重要課題としている打撃。向上へ向けてアドバイスを送った。
若虎の特打を見終え、静かにグラウンドを後にした。3日にキャンプに合流したとき「選手の顔つきが変わった」と手応えを口にした。さらに、最終日に感じた大和の新たな可能性。球場から去る掛布DCの表情は充実感に満ちていた。